隗より始めよ

今後はいろいろ考え始めます。

地銀の処分と日銀のバランスシート

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スルガ銀行に次ぎ、東日本銀行にも処分が下っていました。

元々銀行って滅茶苦茶なことやってるけど、それが是正されることはなく、悪くなる一方だなと思います。

そもそもの原因は何でしょう?これは以前から指摘しているのですが、それほど人いらんでしょうというところが、なんか大量に人を雇用してしまっている点でしょう。

そうして無駄に稼ごうとしてしまい、社会に悪影響を及ぼしているということなのでしょう。人がいらないところからいるところへの人材シフトが望まれます。


もくじ


処分の内容

処分の内容は以下にあります。

株式会社東日本銀行に対する行政処分について:財務省関東財務局

まず1の「顧客の利益を害する業務運営」に

実質的に両建となる担保定期預金を顧客から徴求している。

というのがありますが、これは銀行の常とう手段で金融庁は知っているのかと思っていたら、これまで知らなかったのか、処分の対象となっています。こりゃ大変。

次に2番目の「支店における不適切な融資と態勢の不備」。これは特定の副支店長がやっていることのようです。

上記と異なる複数支店において、支店長が、当行OBを通じて紹介された融資先について、支店の営業エリア内に実態のない当該融資先の営業所の登記を行わせ、融資資金で市場価格を大幅に上回る不動産を購入すること等を知りながら、支店長専決権限により融資を実行し、多額の損失が発生している。

ひとりの副支店長が知り合いに紹介された融資先にお金貸して損を出しているとのことです。

3の「本部の牽制機能の欠如」は1を発見できていなかったということのようです。4の「投資信託販売業務における虚偽報告等」は具体的な内容には触れられていませんが、虚偽の報告が多いようです。

全部が全部そうではないでしょうけどね

融資と預金の両建てというのはよく聞く話ですが、駄目なことだという認識があったのにびっくりです。

まぁなんというか、全部が全部そうではないのでしょうけど、多くの銀行がこんな感じなのかなぁと思います。

ゆるゆるの融資なんかも横行している話も聞くし、何というか怖いところです。バブルの崩壊の反省で絞められた蛇口を開けようと必死になって、ゆるゆるになっているのが、中央銀行のもっとゆるゆる政策で隠されているのがいつまで持つかというのが現状だとは思うのですが、それなのに景気は全く良くならないというのが一番怖いところでして、もうあかんかもねということかもしれません。しらんけど。

中央銀行のバランスシート

話は変わって中央銀行のバランスシートのお話をします。

まずは日銀

日銀をまず上げますが、日銀のバランスシートというのは以下のようになっています。

第133回事業年度(平成29年度)決算等について : 日本銀行 Bank of Japan

リスク資産としては長期国債が420兆円あって、ETFが20兆円あって、外国為替が6兆円あると書いてあります。一方で、資本金は1億円、法定準備金は3兆円、利益余剰金が7600億円。そのほかに債券取引損失引当金が3.6兆円、外国為替の損失引当金が1.4兆円があります。

ETFは損失引当金がないということは何なんでしょうなという感じですが、これは法定準備金を当てているということなのかもしれません。

上の状態を見ると損失に対して準備されているお金が9兆円あります。それだけあれば余裕な感じがありますが、金利が2%以上上がるともしかしたら資本がマイナスになるんとちゃうかなーという風にも見て取れます。保有債券は以下のPDFで確認できるのですが、利付国債10年とか書いているのが、残存期間のことなのか、発行後何年かたったものなのか不明ですが、残存期間であるとすると、2%上がったら危険水域に入ると思われます。

https://www.boj.or.jp/about/account/data/zai1805a.pdf

金利が上がることはもうなさそうだし、そんなこと気にしなくても良いかもしれないのですが、もし上がってしまった場合、タレブ的な発想を持つならそれは一般的に考えている水準で収まることはまずないように思えます。ということで、一応気にしておいた方が良いでしょう。

次にFRB

続いて世界のFEDさんのBSを見ておきたいと思います。

FRB: H.4.1 Release-- Factors Affecting Reserve Balances -- Thursday, July 12, 2018

FEDさんが持っているのは4兆ドル分の国債・エージェンシー債・MBSです。ページの真ん中くらいに内訳があってみると、国債の残存期間は1-5年が最も多くなっています(国債全体の残高は2.4兆ドル)。エージェンシー債はそれほど残高はなく、MBSはほとんどが10年以上の残存となっています。

FEDの資本は389億ドルとページの最後の方にあります。

FEDMBSがどうなるかってところでしょう。その水準を見てみると以下のようになっています。

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fred.stlouisfed.org

リーマンショック後のボトムは3.3%くらいで、今4.5%くらい。住宅金利も全然上がっていないことがわかります。そして、商業銀行のMBSの残高がこちら。

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fred.stlouisfed.org

影の部分はアメリカのリセッションの期間ですって書いているのに、スタートが2009年で全然前と比べられないけど、一つ言えることは2009年から住宅ローンは倍増しているということ。

墓場のダンサーと呼ばれるサム・ゼル(アメリカで最も大きいREITを作った人)は、前回のリーマンショック後、不動産を買うための資金を集めなかったことを本に書いており、その理由を中央銀行が安いお金を出して、不動産価格が下がらなかったからだとしていました。

逆張り投資家サム・ゼル (ウィザードブックシリーズ)

逆張り投資家サム・ゼル (ウィザードブックシリーズ)

まとめ

地銀の処分から中央銀行のバランスシートの話になってなんだこれって感じですが、中央銀行のバランスシートは意外に脆弱であるということを最近知ったので触れてみたかったところに、地銀の話があったのでちょうどよかったというところでしょうか。

米国の不動産価格についてみると、ケースシラー住宅価格はリーマン前の水準まで上がってきました。しかしながら、米国はインフレの国なので、10年前と同水準というのはまだそれほど高くないとも言えます。

しかし、商業銀行の融資残高が増えていたり、中銀のバランスシートが脆弱だったりするのはちょっと不安感を覚えるなぁという注意を一応このエントリーでは書いたつもりです。

日本も銀行のモラルハザードなんかもあると思われるので、成長していないけど思いのほか銀行は脆かったみたいな結末もあり得るのかなーと、ここ最近のニュースからは思います。

金利が上がるということがあるなんて馬鹿が言うことのように思えますが、それが炸裂するととんでもない状況が整っていると言えます。